うららかな春の光がふりそそぐ中
たくさんのお客様にご来院いただきました。
写真をご覧になって、「あー、そうそうこんなだったなあ!」とか
懐かしくて懐かしくて、写真の前でしばし留まっては
皆さん感慨深げなご様子でした。
180枚あまりの写真には、
昭和20年代から40年代にかけての暮らしぶりが満載で、
その中でも強く感じたのは
とにかく人々の生き生きとしている表情でした。
決して物があふれている時代でもなく
戦後ですから、贅沢ができるわけでもないのに
写真の中の人たちは みんな笑顔で明るく楽しそうなのです!
うらやましいくらいに……
それはたぶん、人と人とのかかわりがとても濃いものであって
相手に対しての「思いやり」や「やさしさ」に
あふれる世の中だったからなのかもしれません。
会期中、若い世代のお客様に
ご覧いただけなかったことが残念でした。
またいつか、この貴重な写真展が開催されることを祈ります。
主催者の松本様 ありがとうございました。 合 掌
茅葺き屋根の常勝院 昭和26年(1951)11月14日
庫裡(住居部分)は曲がりやになっていて
本堂には たいこ橋を渡って入ったそうです。
寺の前の道の両側には「お茶の木」が植えられ
お米ももちろん、ほとんどが自給自足の生活でした。
本堂の北側には、防風のためでしょうか
高い杉の木が植わっています。
翌年 昭和27年に 茅葺きから瓦の屋根に
葺き替えられました。
八房保育園卒園式 昭和38年3月25日
農繁期(田植えや稲刈り)の際に 季節保育所として
お子さんをお預かりしていたことが始まりで、
その後、地域の方々の要望に応え、
八房保育園(梅の名前にちなんで)として
開設されたと聞きました。
本堂西側には 護摩祈禱をするための「不動堂」が建っており
当時はこのお堂が保育園でした。
庭には ブランコなどの遊具もあったそうです。
園長先生は 住職の鶴田廣隆僧正です。
子供にはとっても優しい園長先生だったそうです。
八房 の 梅 昭和33年(1958)3月15日
定かではありませんが 樹齢300年以上と言われておりました。
残念ながら平成16年に枯れてしまいましたが、
偶然にもその前年6本の挿し木に成功し、
その中でも一番成長の良かったものを
以前の場所よりも西側に植えました。
次の年平成17年に本堂大改修工事のため
新しい参道を作りましたが、
先代の梅が枯れなければ、現在の場所に参道を敷くことは
不可能でした。
子孫を残し、それを知ったと同時に自ら身を引いたかのような
せつなくも尊い生きざまを教えられたような気がします。